Sponsored Link
再婚・バツイチ離婚の理想の結婚
サンマリエ再婚・母子家庭応援プラン
再婚希望・バツイチ男性
再婚希望・離婚シングルマザーに疲れて
シングルマザーへ、ママありがとう♪
離婚した理由・バツイチ
シングルマザーのストレス発散の旅
シングルマザーのイライラ体験と解決策
シングルマザーの悩み体験と解決策集
親子日帰り旅行口コミ評判
幸せな成功をしたシングルマザー
成功と幸せへのシングルマザー道
金持ち母さんの挑戦
絵本(海外作家)キッズ
海外絵本おすすめ体験評判
絵本(海外作家)キッズ
携帯ケータイで防犯体験口コミ
携帯で防犯 入学祝プレゼント♪
Sponsored Link
太陽は5歳、光子は3歳。
一緒に、七五三だった。
お金を節約したい私は、友人から男の子の着物と袴、女の子の着物を貸してもらった。
夕食後に敷いた布団の上で、着せてみる。
まず、太陽。白い長襦袢(ながじゅばん)を着せる。
おお、なんだか寝室に向かう若殿のようだ。
それから、黒い着物を羽織らせる。
うーん、かっこいい。親馬鹿、丸出しだ。
そして、スカート状になっている袴(はかま)をはかせ、角帯を結んだ。
いや~、ここからが大変だった。
袴の紐(ひも)の結び方が、説明書に書いてあったのだが、きれいに前飾りの十文字結びを結ぶのに時間がかかってしまった。
子どもの着物なんて、浴衣のように簡単なものだと思っていた。ところがどっこい。
チャックやボタンなどのない着物は、紐や帯で着崩れしないように締める。しかも、見栄えがいいように結ぶ。ここが日本人の美意識だなあと、思う。
けれども、この見栄えのいい結び方、美意識が難しいのだ。
だからこそお金を出して、美容院で着付けしてもらったりもするのだろう。
私は着付けを習ったこともないので、太陽を布団の上に立たせたまま、紐と格闘した。
袴には、4本の紐がついていた。前の部分の袴についている紐2本を、後ろと前で交差して結ぶ。それから袴の後ろ部分についている後ろ板を、角帯の結びを隠すようにして背中の位置を決める。
袴の後ろ部分にも、紐が2本ついている。後ろからその2本の紐を前にまわして、先に結んだ袴の前の紐の間にくぐらせてから、十字形の前飾りを作る。
左からの紐を、10センチの長さにくるくると巻いて、十字形の横の部分を作る。それから右の紐を縦に巻いて、十字に固定するのだ。
これに私は泣いたのだ。よくわからなくて、汗をかいた。でも何とかして結ばないと、袴の後ろがだらりとたれさがって完成しない。
いっそ、他の紐で十字形を縛ってしまおうかと思った。糊(のり)ではってしまいたかった。
なんで紐だけで着物を留めるのか、なんで便利なボタンやチャックを使わないのかと頭にきた。
光子も自分が着る着物を取り出して待っているので、とりあえず、袴が落ちないように結んだ。そして守り袋と懐剣を袴に差し、白扇を持たせた。ようやく、太陽の着付けが終った。ふう~。
光子の着付けは、簡単だった。
長襦袢を着せ、赤い着物を羽織る。3歳は帯は締めずに、被布(ひふ)というちゃんちゃんこのようなものを着せるので、太陽のようなときの苦労はなかった。
巾着(きんちゃく)を持たせ、光子の短い髪に髪飾りをとめた。
やっぱり、女の子だなあ。赤い着物を着て、光子はうきうきしていた。
子どもは、3歳までは「神様からの預かり物」と昔は言った。
仏教的思想では、親より先に亡くなる子は親不孝とみなされて、極楽へは行けなかった。幼児の死亡率が高かった昔は、神様からの預かり物とすれば、幼くして亡くなっても神様にお返しすることになる。
切ない親心である。
晴れて無事に3歳を向かえた子どもは、初めて「我が子」となる。
我が子になると、それまで剃りあげていた髪の毛を、伸ばし始めることができるそうだ。これを「神置き」の儀式としてお祝いしたのが、七五三の始まりという。
日曜日は、朝食を終えると再びふたりに着付けした。
今日は仕事が休みの父と一緒に、父方の祖父母に晴れ姿を見せに行くのだ。
車で到着した元夫は、スーツを着ていた。
おお、太陽と光子の晴れ姿にふさわしく正装してきてくれたんだな。
なんとなくいつもとは違うピシッとした雰囲気で、父親と子どもたちは車に乗り込んで、立ち去った。
今日は日帰りで、父親宅から帰ってきた太陽と光子。
元夫の話によれば、太陽は祖父母の家に着いたとたん、袴の紐の結び目を解いて脱ぎ出してしまったそうだ。
あわてて写真を撮るためだけに、無理やり袴をはかせたという。
一方の光子は、喜んでずっと着物を着ていたという。そうかそうか。
祖父母から孫へのお小遣いと、七五三のお祝い金をいただいた。
ありがたく、ふたりの名義で貯金しよう。