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昼食に、焼いたたらこを出した。
喜んだ子どもたちは、台所でお味噌汁をよそう私に、
「お母さん、先食べていい?」と、聞いた。
「お母さん。たらこって、なんの魚の赤ちゃんか、知ってるよ」
と、息子が言い出した。
へー!すごいな。そんなこと、知っているのか!
ところが、「なんの魚?」と聞くと、
「しゃけ?」と、同意を求めてきた。
「スケソウダラだよ。タラ、だよ。
タラの子どもだから、たらこ。
ふたりはお母さんの子どもだから、カアコだ!」
ちっとも、うけなかった。
娘は、「(たらこが)しょっぱいから、もっとご飯」と言って、何回もご飯を自分でよそっては食べた。
息子は、ご飯はまだ半分以上残っているが、先にたらこは平らげてしまった。
チビチビとたらこを食べる娘の背中から、娘のたらこを取ろうとする息子。
私が息子を軽くにらむと、にやりと笑う息子。
そのやりとりで、たらこが狙われていることに気付いた娘は、左腕でたらこの入ったお皿を隠して、息子をけん制した。
我が家は、普段、玄米だ。
私はごま塩をかけて食べるが、炒りごまをするのを面倒がって、粒のまま、ご飯にかけていた。
友人宅で、こしょうのように、黒ごまををすりつぶしながら食べ物のうえに振りかけられる入れ物を、見た。
これは、便利!
すりつぶして、すぐごまをかけるなら、すったごまが酸化しなくていい。
しかしその容器は、近所のお店では売っていなかった。
それで相変わらず、粒のまま、ごま塩を食べていた。
すりごまが好きな息子は、だから、ごま塩をかけて食べなかった。
しかし、ある日突然私は、小さなすり鉢を買ってきた。
テーブルの上でごまをすったら、息子もご飯にかけて食べだした。
しかも、りんごを食べた後に、またご飯をおかわりして、ごまをすってかけた。
兄のまねっこの娘も、一緒におかわり。
圧力鍋のパッキンがだめになったらしくて、圧力がきちんとかからず、パサパサ気味の玄米だったのに、おかわりしてくれた子どもたち。
ごまのおいしさがわかったのね。
やっぱり手抜きしちゃいけないのね、と感じさせられる一コマだった。
1日に2回か3回、子どもと共に食事をする。
おいしいかな?楽しいかな?
1週間で、21回の食事。
1ヶ月30日で、90回の食事。
1年365日で、1095回の食事。
1095回、なんていうと、気が遠くなる。
1日3回だけでも、大変なのに。
だけど、友達と一緒にご飯を作って、食べるとおいしい。
誰かと一緒に作ると、楽しくて、食事作りも苦にならない。
それじゃあ、我が子と一緒に、作ればいいのかな?
ひとりでふうふう言いながら作って、不満だらけになるより、我が子と一緒に料理を作って、食事を楽しめばいいのかな。
おいしいものを食べる前に、料理する楽しさを、私自身が感じられるようになりたいな。
そうしたら、おいしいものも自然に作れるようになる気がする。